レタスとキャベツの関係
レタスとキャベツは見た目がとても似ていますね。どちらも緑色で葉で巻かれてボール状になっているため、小さい場合は見た目がほとんど一緒に見えます。見た目が理由で、レタスとキャベツを仲間だと思う人が多いですが、全然別物の野菜ですがご存知でしょうか?
キャベツはもともとケールという野菜で、ケールの丸まったものがキャベツといわれています。レタスはチシャが丸まったものだそうです。チシャというのはキク科の1年草で、世界中に生えています。日本でも平安時代以前から栽培されていたとのことです。昔の日本人はレタスを「チサ」と呼んでいたという記録があります。それは恐らく「チチクサ(乳草)」と呼ばれていたからでしょう。チシャの茎を切ると、白い乳のような液体が出てきます。これが理由でチチクサと呼ばれ、チチクサがチサになり、やがてチシャに変化したといわれています。
日本で古くから栽培されていたの中でもボール状に育つものがあり、「タマチシャ(玉チシャ)」と呼ばれていました。これが現在のレタスの原型といえます。
ちなみにレタス(英語でlettuceと書きます)という言葉は、”乳”を意味するラテン語のラーク(Lac)に由来しているそうです。これも先ほどお伝えしたとおり、レタスを切ると白い乳のような液が出ていたからでしょう。
タマチシャ(レタス)は16世紀にヨーロッパ(地中海域)で栽培されはじめ、幕末の日本に伝わり、明治時代になってからレタスが本格的に栽培されはじめました。
レタスは軽いものを選ぼう
野菜を選ぶとき、ずっしりとした重みのあるもののほうが中身が詰まって美味しいといわれています。ところが、レタスの場合は軽い方が美味しいといえます。
中身のつまった重いレタスは、育ちすぎて葉が堅いため、歯切れが悪く苦い場合が多いといわれています。軽いレタスは、やわらかくて苦みがなく、みずみずしいです。レタスは葉と葉のスキマが大事で、おいしいレタスは上から押すと弾力があります。それはレタスの葉の間に適度なスキマがあるからといえます。他にレタスの選び方のポイントとしては、形が丸くて、芯の切り口が小さく(500円玉硬貨くらい)で変色していないかどうかが、レタスの美味しさを見分ける方法といえるでしょう。
いろいろな野菜の中でも、レタスは特に水分が多いため乾燥しやすいといわれています。これが理由で、水分を逃がさないために、プラスティックのシートで包装されて売られています。レタスを食べるときに、外側の葉を取る人も多いと思います。でも、レタスはみずみずしいままの状態でシートに包まれてますから、外側の葉を取る必要がないといえます。つまり、特に葉を取らずに丸まま料理に使えるワケですね。
ちなみにレタスと違って、キャベツやハクサイは、葉がしっかり巻いていて重いものが美味しいといわれています。
レタスの種類によって栄養のを知っていますか?
レタスは品種によって栄養に差があるといわれています。一般的に、色の濃いサラダ菜やリーフレタスはカロテンやビタミンE、カリウムといった栄養がたくさん含まれていて、抗がん作用もあるといえます。一方、玉レタスはほとんどが水分で、レタスの中では栄養が少ない方でしょう。しかし、レタスを料理で加熱することでカサが減るので、たくさんの量を摂ることができます。ですから、レタスを炒めたりして食べると、食物繊維をたくさん摂取できるので覚えておくといいでしょう。しかも、レタスは熱を通すと苦みが減ってうま味が増すといわれているので一石二鳥ですね。
ちなみに、焼肉と一緒に付け合わせで食べるサンチュやリーフレタスもレタスの仲間といわれています。ボール状にならない品種のレタスで、巻き物などによく使われています。ですが、栄養面はあまり重視せずに、見た目の色合いや味をさっぱりさせたいためだけに使われているといえます。
(Photo by Rasbak , Yorvik)