赤いピーマンと緑のピーマン

ピーマンはトウガラシの仲間で、トウガラシのことをフランス語でピマン(Piment)といいます。ですから、日本語の「ピーマン」はこのピマンに由来しているのでしょう。ちなみにピーマンのことをフランス語でポワヴロン(Poivron)といわれています。

ピーマンには緑色のものと、赤色のものがあります。ですが、ほとんどの人はピーマンといえば緑色を思い浮かべると思います。ピーマンは苦いため、子供が嫌いな野菜の1位になることが多いですよね。ちなみに、緑色のピーマンは未成熟のピーマンといわれています。ピーマンが生長すると赤色になり、苦みが消えて甘くなります。

ところで、赤と緑のピーマンは色だけでなく栄養も全然違うのを知っていますか?

例えば、ピーマンはビタミン類を多く含んでいます。ところが、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E、葉酸の量は赤ピーマンの方が多いです。つまり、未成熟な緑色のピーマンにと比較すると、成熟した赤いピーマンの方が栄養たっぷりなんです。

そして、最近では黄色やオレンジといったカラフルなピーマン(パプリカ)もよく売られています。この場合も、緑色のピーマンと比べると、カラフルなピーマンは甘くて栄養たっぷりです。緑色のピーマンも完熟すれば赤くなって甘いピーマンになりますが、とても手間がかかるためか、あまり出回っていません。

ピーマンが普及したのは戦後以降って知ってますか?

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16世紀末に、ポルトガル人がピーマンが日本に伝えました。ところが、当時はまったく人気がありませんでした。300年以上の間、日本人はトウガラシは食べても、ピーマンを食べることが無かったといわれています。トウガラシを品種改良して甘くしたのがピーマンで、辛味成分である「カプサイシン」もほとんど含まれていません。

日本でピーマン栽培が始まったのは明治時代に入ってからになります。それでも人気がなくて普及しなかったのですが、戦後になってからようやく広まりました。

戦後からしばらくたって、黄色やオレンジ、赤色のパプリカが出回るようになりました。緑色のピーマンは食べれないけど、パプリカなら食べれるといった子供も多いです。ことことからも分かるように、パプリカはとても甘くて生でも食べれるし、食感も良いため、すごく人気があります。最近では、緑色のピーマンもドンドンと改良され、苦味や青臭さが少ないピーマンが作られています。

注目成分はピラジン

ちなみに、ピラジンという物質がピーマンのニオイの成分といわれています。このピラジンは、血をサラサラにして脳梗塞などの予防にも効果があるため、すごく注目されています。血液がきれいになるということは、育毛にも効果があります。マイナーな情報ですけど、薄毛で悩んでいる人には役立つ情報でしょう。

緑色のピーマンよりも、カラフルなパプリカは身体にいい成分がたくさん含まれています。免疫力と高めたり、美肌効果や疲労回復、夏バテ防止にも効くといわれています。

その一方で、子供に嫌われているピーマンも、とても健康に良いといわれています。ピーマンにはベータカロテンとビタミンCといった栄養もたくさん含まれています。特にピーマンのビタミンCはレモンの2倍といわれており、加熱しても壊れにくい特徴があります。ちなみに、ピーマンを軽く油で炒めると、ベータカロテンがパワーアップします。また野菜には珍しく、ピーマンにはビタミンEも多く含まれています。このビタミンEがビタミンCと一緒に活躍して、活性酸素をやっつけたり老化防止に役立つといわれています。

ピーマンを食べるとき、種と白ワタって捨てていませんか?実は、この部分には栄養素大量に含まれており、さっきお伝えしたピラジンもたっぷり詰まっているといわれています。普段食べているピーマンの皮とは比べ物にならないほど栄養満点といわれています。ですから、ピーマンの白いワタの部分は出来るだけ一緒に食べるのが理想でしょう。
(Photo by Batholith, Daderot)

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