芽キャベツは、キャベツの芽じゃないんです

一般的に私たちは、芽キャベツをシチューなどの煮込み料理や肉料理の付け合せとして使います。ちなみに芽キャベツは、キャベツの突然変異です。芽キャベツは、英語でブリュッセル・スプラウト(Brussels sproutsブリュッセルの新芽)と呼ばれています。つまり、芽キャベツの原産地はベルギーのブリュッセルです。芽キャベツは明治時代に日本に伝わりました。そして、「子持ち葉ボタン」や「姫甘藍(ひめかんらん)」などと呼ばれていました。

芽キャベツのことをキャベツの芽と思っている人や、キャベツの赤ちゃんと思っている人も多いと思います。しかし、芽キャベツはキャベツの芽でも赤ちゃんでもありません。キャベツの仲間ではありますが、まったく別の野菜です。

「芽キャベツ」は、植物の本葉の横にある、側芽(そくが)の部分に出来ます。品種によっては1株に40~60個できます。また、芽キャベツは寒さに強く暑さに弱いです。なので、芽キャベツは秋から冬にかけてが旬となっています。

キャベツを収穫しないとどうなるか知っていますか?

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キャベツは外側の葉から育ちます。そして、徐々にキャベツの内部の葉が成長していき、外葉が18枚から20枚ほどになってから、丸い球のようになります。キャベツは球状になると収穫されます。ですが、丸くなったキャベツを収穫をしないでそのまま放っておくと、いったいどうなるのでしょうか。

通常、植物は種をまくと発芽し、成長して花を咲かせ実をつけて種をつくります。これが植物のライフサイクルです。キャベツも同じように成長します。キャベツを収穫せずに、冬を越して春を迎えるとします。すると、キャベツの球から茎が伸びます。(これを”薹(トウ)が立つ”といいます。これはキャベツが食用に適した時期を過ぎているという意味です)キャベツの花が咲いて実をつけ、種ができます。ハクサイも同じパターンで成長します。

またキャベツは、菜の花のような黄色い花を咲かせます。菜の花はアブラナ科の植物です。ハクサイやカブも同じアブラナ科の植物です。この、アブラナ科の植物は4枚の花弁(かべん)が十字にならんで、十字花を咲かせるという特徴があります。そして、アブラナ科の植物にはをガンを予防する効果があります。アブラナ科の植物に含まれている、「イソチオシアネート」という物質がガン予防に効果があります。

とんかつに刻みキャベツという組み合わせ

トンカツにはたいてい刻みキャベツが添えられています。この理由を知っていますか?東京・銀座の洋食老舗「煉瓦亭」の初代店主である木田元次郎さんガ、トンカツと刻みキャベツの組み合わせを考えました。この組み合わせには理由がありました。

煉瓦亭は明治28年(1895年)に始まりました。この店では、日本ではじめて豚肉のカツレツが作られました。このカツレツがトンカツの前身です。当時、カツレツはフライパンで焼き、それからさらにオーブンで焼いていたので大変な手間がかかりました。煉瓦亭ではその方法をやめて、天ぷらのように揚げる方法に変えました。しかし、温野菜を付け加えると手間と時間がかかります。時間短縮のために、手間のかからない生の刻みキャベツを付け合わせとして出してみると、思いのほか評判が良かったのです。そこからトンカツとキャベツの組み合わせが生まれました。この組み合わせは煉瓦亭の名物となり徐々に全国各地へ広がっていきました。

また、キャベツは別名「キャべジン」という「ビタミンU」を多く含んでいます。キャベジンは胃薬の名前としても有名ですね。このビタミンUは胃の粘膜を守ります。しかし、ビタミンUは熱に弱いです。なので、揚げ物のトンカツと一緒に、生のキャベツを食べるということは消化にも良いので合理的ですね。

(Photo by Epukas, Surya Prakash.S.A.)

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