水だけで育つもやし

もやしは、「もやし」や「モヤシ」といったように平仮名やカタカナで表現されていることがほとんどだと思います。ちなみに、もやしはどんな漢字で書くか知っていますか?

漢字でもやしのことを「萌」と書きます。もやしというのは、「芽が出る」という意味の「萌ゆ」から名付けられたといわれています。この「萌ゆ」が「萌やす」になり「萌やし」と呼ばれるようになりました。そこから省略して「萌」と書くようになったのでしょう。

一般的に、光がないところでは植物はなかなか育たないといわれています。ところが「もやし」は例外で、光がなくても育ちます。もやしというのは、豆の種に光を当てずに発芽させたもので、水だけで育つといえます。

豆の種を水に浸し、暗いところにおいておくだけで育ち、モヤシになります。もやし栽培には肥料も必要なく、ただ水があれば育つに理由をご存知ですか?

それは、豆が自分自身の栄養を使って育つからといわれています。もやしは豆の体内にある栄養と水だけで育つため、光がいらないのでしょう。

もやしはなぜシャキシャキするの?

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もやしを食べると、あのシャキシャキとした歯ごたえがありますよね?もやし独特のシャキシャキとした音は、いったい何の音なのでしょうか?

ちなみにキュウリは歯ごたえがシャキシャキしていますが、だんだんと音がなくなります。でも、もやしはシャキシャキ感がずっと続きますよね。そのシャキシャキの正体は、実はもやしの細胞がつぶれる音といわれています。

そして、もやしときゅうりのシャキシャキ音の違いは細胞のつくりが違うからといえます。他の野菜と比べて、もやしの細胞は大きくてしっかりしています。そのため、もやしは噛んでも噛んでもまだ細胞が残っているため、シャキシャキとした音がずっと続きます。

なぜもやしの細胞が大きくしっかりしているかというと、もやしの育つ環境が原因といえます。植物は光を浴びずに育つと、細胞が大きくなるといわれています。ですから暗い場所で育つもやしの細胞は、日光が必要なほかの野菜よりも大きいといえます。

では、反対に光に当てて育てられたもやしはどうなるのでしょうか?先ほどお伝えしたとおり、暗闇で育てられたもやしよりも細胞が小さくなり、シャキシャキ感もほとんどなくなるそうです。

もやしには栄養がある?

色白でヒョロヒョロのもやしは、昔からひ弱さの代名詞に使われることが多いですね。背が高くて細く、色白な人を「もやしっ子」などと呼んだりします。もやしはその見た目から弱々しく見るため、栄養がなさそうと思われがちですが、実際のところどうなのでしょうか?

もやしの原料の大半は緑豆で、100グラムにつきビタミンCを8グラム含んでいるそうです。豆の状態ではビタミンCがほとんどないのですが、発芽してもやしになる段階でビタミンCが合成されるといわれています。

一般的に、もやしは発芽してから1週間ほどで出荷されますが、発芽してから日に日にビタミンCが増えるといわれています。他の野菜と比べると、レタスが5ミリグラム、トマトが15ミリグラム、サラダ菜が14ミリグラムだそうです。もやしはビタミンCのほかに、カリウムやビタミンB群、鉄なども含んでおり、そこまで栄養満点ではありません。ですが、もやしは栄養が少ないわけでもありません。ちなみに、もやしのカロリーは白菜と一緒といわれています。

(Photo by Anna Frodesiak, by karendotcom127)

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