マンボウの生む卵は3億個

マンボウは世界で一番多くの卵を産む魚といわれており、たった一度の産卵で3億もの卵を産みます。マンボウのメスは成長すると2トン以上の体重になり、さらに3mを超す巨大な魚になります。

マンボウの卵巣は非常に大きいという特徴があります。その卵巣の中には、直径1mm前後の卵が3億個も詰まっています。この卵の数は、他のありとあらゆる魚の中でも、圧倒的に多いといえます。

なぜ、マンボウがこれだけ多くの卵を産卵するのかご存知でしょうか?その理由は卵を保護する方法が関係しています。一般的な魚は産卵する卵の数が少なくて、親が何らかの方法で卵か子供を保護しています。

その一方で、マンボウは卵を産んでからほったらかしにしています。マンボウは沖の遠くで卵を産むため、3億個の卵のうち実際に孵化(ふか)して大人まで成長できるのは数匹しかいないという記録があります。このように、マンボウや魚が卵を産んで、子供から大人になるまでの仕組みは色々と理屈があるといえます。

なお、仔魚の段階ではマンボウはフグのような見た目をしています。マンボウは成長しても尾ひれがなく、非常に特徴のある外見で、子供の時も不思議な姿をしています。稚魚や幼魚の段階になっても、見た目がまるで金平糖(こんぺいとう)のようだといわれています。

マンボウの生態や分布環境

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マンボウの生態を調べると、熱帯や温帯を中心に分布していることが分かります。研究結果から、外洋で生活しているマンボウは様々な水深の場所で生活していると分かってきました。

一般的に魚の生息する水深というのは、ある程度一定です。というのも、水圧などの様々な理由があり、それぞれの魚にとってふさわしい水深というのが自然と決まっています。

しかしマンボウの場合は、海の表層から水深800mまで、非常に幅広い水深の場所を移動していることが、研究結果から分かりました。マンボウの種類によっては、海の表層で生活していたり、水深200m以上の深さで生息しているものもいます。この水深に関して、明確な理由はまだ分かっていませんが、どうやら水温が影響しているという説が有力です。

マンボウ料理は台湾名物

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台湾(タイワン)の東部に位置する花蓮県(かれんけん)という地域をご存知でしょうか?ここは台湾で最大のマンボウの産地と呼ばれ、多くの飲食店でマンボウを名物料理として売りだしています。

マンボウは身は白身で、クセがなくて食べやすいと評判になっているそうです。またマンボウを刺身として食べれば、とても美味しいだけでなく、美容に役立つコラーゲンも豊富に含まれています。こういった理由で女性にもマンボウ料理が人気といわれています。

また、マンボウの腸の部分も刺身として食べることができます。たしかに魚の腸には寄生虫が多いですし、ホルモンが苦手な方は少し勇気が必要です。しかし、マンボウのホルモンは茹でて食べれば、クセが無くて美味しく美容にも効くということで評判になっています。

日本ではマンボウは珍味ですが、台湾では一般的な市場で手に入ります。さらに、その9割が食材として使えることもあり、非常に庶民に親しまれている食材といわれています。
なおマンボウの旬は5月頃で、定置網(ていちあみ)で捕まえるという手法が一般的です。

マンボウの名前の由来

マンボウは漢字で書くと、「満方」や「円魚」と書きます。これは、マンボウの姿を元につけられた名前です。地方によっては、浮木や雪魚、尻切など、様々な呼ばれ方をしています。大木が海に浮かんでいるような見た目、白身はイカに似ている、マンボウの後半は魚が切れているような見た目である等、色々な説があります。

またマンボウは海外でも特殊な呼ばれ方をしています。マンボウは、泳いでいる姿が太陽の動きと似ているため、英語ではオーシャンサンフィッシュと名付けられました。またインドネシアではマンボウを「IKAN MATAHARI」と呼んでおり、直訳すれば「太陽の魚」という意味になります。
これまでお伝えしてきた通り、マンボウはとても個性的な魚ですから、世界中で様々な名前がついています。
(Photo by U.S. National Oceanic and Atmospheric Administration, Per-Ola Norman)

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