タコという名前の由来
日本語で「タコ」という言葉には「手が多い生物」という意味があります。また、足が多くその外見が昆虫の蜘蛛(クモ)に似ているため、海蜘蛛と呼ぶという説もあります。英語では「octopus」と呼ばれていますが、その意味は「足が八本」という、意外とそのままの姿を表したネーミングです。
また、別名「デビルフィッシュ」という名もあり、宗教によっては「食用にしてはいけない、鱗(ウロコ)の無い魚」として扱われています。デビル、つまり悪魔の名前をつけられているのは、そういった宗教上の意味を持っているからと考えられています。
綺麗好きが仇となって…
タコはとても綺麗好きで有名です。タコは自分の住処(すみか)を汚さないために、貝を食べたあとの殻などを必ず巣の外へと捨てます。
そんな綺麗好きなタコの住処の近くには、必ずとある目印が存在するといわれています。それは「あぶら石」という石です。このあぶら石は、潮の流れによってゴミが取れて綺麗になった石のことです。このあぶら石は、潮の流れが激しい場所にあるため、その周辺にゴミが溜まらず綺麗に保たれています。このあぶら石が存在するということは、綺麗な場所で、タコの住処があると考えられています。先ほど伝えました通り、タコは綺麗好きな生物ですから、ゴミが溜まらないあぶら石の周辺がお気に入りなのでしょう。
しかし、それだと天敵に対して、「自分の住処はあぶら石の近くにありますよ」と教えているようなものです。また、タコは綺麗好きではありますが、それが原因で自分の巣の周辺に食べカスが増えていきます。つまり、タコの住処には二つの目印があるということになります。タコは知能が高いことで有名ですが、少し抜けた部分もあるようです。
タコの知能はかなり高い
タコの知能はかなり高いと言われています。とりわけ、目の前の問題を解決する能力に優れています。
例えば密閉した空間に、タコと”餌が入ったビン”を一緒に入れておくとします。このビンは栓がされているので、栓を取らなければ、タコは餌を食べることができません。タコは色を見分けることができ、物体に触れることで形を認識することができます。密閉空間に、”餌入りのガラスビン”と一緒に閉じ込められたタコは、栓を開けるという解決方法を考えだし、餌を食べることができるほど賢いのです。更に、その栓を回転させなければ開けられない場合でも、対象に触れることでそのことを理解して、開けることができるのです。
タコVS伊勢海老&ウツボ
タコと伊勢海老とウツボは「三すくみ」の関係にあるといわれています。タコは伊勢海老を好物とし、伊勢海老はウツボを食べ、ウツボはタコを捕食する、という三角関係があるといわれていました。
しかし、それはどうやら間違いであり、実は伊勢海老VSウツボの構図はありえないことがわかってきました。
タコは、”カラストンビ”という強くて固い顎(アゴ)を持っており、伊勢海老の殻ごとバリバリと食べることができます。伊勢海老はタコに対抗する術を持っておらず、タコに狙われたら逃げる以外に生き残る方法がありません。タコとウツボの場合も、タコはウツボに勝つ術を持っておらず、逃げるしかありません。
一見、この構図なら伊勢海老がウツボを襲って食べるという姿が見られそうな感じに思うでしょうが、実はウツボと伊勢海老には一種の共存関係があり、伊勢海老を狙って近づいてきたタコを一緒に捕食するといわれています。伊勢海老はタコから身を守り、ウツボは捕食対象であるタコを、伊勢海老をオトリにして誘き寄せるという構図があり、互いに利害が一致したパートナーといえます。
従って、タコVS伊勢海老VSウツボという構図は間違いで、タコのみが伊勢海老、ウツボの双方から敵視されているワケです。
ちなみに、「伊勢海老はウツボを食べないのか?」というとそうでもなく、共存関係にあるウツボが死んでしまった場合、伊勢海老はその死体を食べてしまうといわれています。
(Photo by NOAA, Roy Caldwell, Albert Kok)