カレイとヒラメの目の違いについて
カレイと言えば片方に目がある魚ですね。身体の右側に目があることが特徴です。「左ヒラメに右カレイ」という言葉もあります。
「カレイは生まれた時から右側にしか目がないのかな?」と思っていませんか?
実は、カレイの仔魚(しぎょ)は両目があります。例えば、マコガレイを見てみましょう。生まれてから約三週間は、カレイには両方に目があります。しかし、孵化(ふか)して三週間をから一カ月くらいまでの間に身体が平らな形に変形して、左目が頭頂部(とうちょうぶ)の方へと移動していきます。
単純に「カレイは右側に目がある生き物」と考えてしまうと、例外が出てきて混乱してしまいます。厳密にいうと、”カレイ科”の場合は右側に目があるのです。
というのも、”ヒラメ科”の中にも「●●カレイ」と呼ばれる魚がいます。例えば、「ヌマガレイ」などの魚です。”ヒラメ科”は左側に目があり、「ヌマガレイ」の場合も左に目があるのですが、名前に「カレイ」と入っているため、どっちがどっちか分からなくなってしまいます。
カレイとヒラメを見分ける方法
先ほど、カレイとヒラメをどのようにして見分けるかというお話をしました。基本的には、「左ヒラメの右カレイ」でたいていのものは区別できます。
しかし、目の位置だけでは判断できない場合もあります。そこで、別の方法をお教えしましょう。
一般的にカレイの方が小さく、ヒラメの方が大きいという違いがあります。もちろん例外もあり、オヒョウと呼ばれる種類のカレイは2m以上の大きさで、体重は300キロになるものもいます。基本的に、カレイとヒラメは食生活が違うので、身体の大きさが違います。
カレイは虫を主食とするため、口が小さいのが特徴です。その理由は、カレイの方が基本的に小さく、カロリーをそこまで必要としないからと考えられています。
こういった方法で、カレイとヒラメを見分けることができるので覚えておきましょう。例えば、釣りをしてカレイかヒラメが釣れた時にどちらか分からない場合は、「目がどっちによっているか?」「身体と口の大きさはどれぐらいか?」で判断するといいでしょう。
巨大カレイ、オヒョウを追う
海の生物は不思議なもので、小さいはずのカレイの仲間には、オヒョウという種類がいます。先ほども述べたように全長2~3メートル、体重200~300キロの巨大カレイです。
オヒョウは、その巨大さから分かるように、とてつもなく強い力があります。オヒョウを釣り上げたものの、暴れていて捕まえられず、尾ひれに打たれて亡くなった人もいます。そのため、船から釣り上げる時にライフルでオヒョウの息の根を止めてから釣り上げる場合もあるそうです。
生まれたばかりオヒョウは普通のカレイと同じで、あまり大きな魚ではありません。生まれて一年以内の間は10センチ以下でとても小さいです。しかし、毎年10センチずつ安定して成長するため、とてつもない大きさになります。
また、オヒョウは日本にはあまり生息していません。北海道では時々釣れるのですが、主な生息地はアラスカの地域です。なおアラスカ現地で、オヒョウは”ハリバット”と呼ばれており、「聖なるカレイ」という意味と考えられています。現地人は、このオヒョウを祭日に食べられていたことから、こういう名前になったといわれています。
カレイはカメレオンのように変身する
カメレオンと言えば、環境に応じて変化するという特殊能力を持っていることで有名です。これは、”メラノサイト”と呼ばれる色素細胞(しきそさいぼう)を変化させることで、環境に応じて色を変えることができるのです。
実は、カレイにもこの色素細胞があります。つまり、自分自身の色を環境になじませる”メラノサイト”を利用して、天敵から自分を守っているのです。
(Photo by Peter van der Sluijs, Aiowazc)