飛行機が飛ぶのに必要なものとは
飛行機が飛ぶには何が必要でしょうか。滑走路、パイロット、飛行機本体、空、風…と色々あげられますが、この中で滑走路について考えてみましょう。滑走路はぱっと見ただけではただの長く広い道路です。しかし、普通に車が走る道路と全く同じものではないのです。
まず、あれだけ大きくすごい速さで飛んでいる飛行機が着陸する時には、すごい衝撃が滑走路にかかります。まず、この衝撃に耐えられなければなりません。
次に、その飛行場から離陸する飛行機の種類、旅客機か戦闘機かにより何で舗装するかも変わってきます。また、離着陸の時は高速で走りますので滑走路の表面は極めて平坦にしてなくてはならないのです。
滑走路は何でできているのか
テレビで見る飛行機の離陸シーンで、滑走路の違いがあったことに気がつきましたか?大抵戦闘機の離陸シーンでは滑走路の色が白く、旅客機の離陸シーンでは、滑走路が黒い場合が多いです。
これは、熱に強く耐久性も非常に高いが施工期間が長くなるセメントでできているか熱に弱いが作り易さと耐久性のバランスが良いアスファルトでできているかの差です。滑走路に対しての戦闘機と旅客機の一番の違いは、路面とエンジンの距離です。旅客機のエンジンは通常翼の下にあることが多く、また機体が大きいためエンジンと路面には影響がほとんどない程の距離があります。
それに対して戦闘機はエンジンが機体後部についていることが多く、機体が小さいため離陸時に機首が上がるとアフターバーナーの炎が路面に影響を与えるリスクがあるため別れています。
飛行機と風と滑走路
飛行機はとても大きいものですが、それでも空を飛ぶ乗りものですので地上を走る乗り物より風の影響をはるかに大きく受けます。その風向きと風の強さによっては、離着陸が難しくなることも多いです。強さであればある程度の基準で判断すればよいのですが、風向きの場合変わるのを待っていると一日中全く離着陸できないこともあります。
そのため、空港には複数の滑走路がある場合が多いです。そして複数の滑走路がない空港の場合、国土交通省の基準で一定以上の風が吹いた場合、風向きに最も近い方位の滑走路を使うというルールがあるため、いつもと違う向きで離着陸をすることもあります。例えば、愛知県にある名古屋空港は、通常は南側から着陸して来た側から離陸するのですが、風向きによっては北側から着陸して南側から離陸する時もあるのです。
このように飛行機にとって最も重要な施設である滑走路にも色々な不思議があるのですね。
(Photo by Hakilon, Kentaro Iemoto)