チューリップの原産国はトルコ

チューリップは、オランダがメインで生産されています。なので、チューリプといえば”オランダに咲いている花”というイメージが強いかもしれません。現代ではオランダがチューリップ大国とされ、日本で販売されているチューリップの球根の大半がオランダ産です。

しかし、チューリップの原産国はトルコのアナトリア地方です。今から1,500年前の6世紀終わりごろ、トルコの壁画などにチューリップが描かれていた記録が残っています。

当時からチューリップは、トルコ(オスマン)民族には欠かせないものでした。ターバンやアクセサリーや生け花など、チューリップは生活必需品に使われていました。チューリップの語源は、ターバン(チューリバム)が変化したものと考えられています。この名前の語源からもトルコと関係が深いと分かります。

チューリップはオランダで高騰した歴史がある

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現在チューリップは、オランダが一大生産国として知られており、国花に指定されています。ちなみに昔のオランダではチューリップをめぐって、ある大事件が起きたの知っていますか?

その事件は、チューリップ・バブル(チューリップ狂時代)と呼ばれています。これは1637年オランダで、チューリップの球根の価格が高騰し暴落した事件で、経済に大きな影響を与えました。

元々、チューリップは短期間で増やすのには適していない種類の花です。品薄になりがちな花という理由から、チューリップの球根で先物取引が流行しました。

1634年頃から、チューリップの美しさや栽培方法を無視した投機家たちが、金儲け目的でチューリップを大量に購入しました。手形を発行するような形で、チューリップの球根1個と工場が交換されたという逸話も残っています。

もちろん食糧や家畜などとチューリップが交換されることもありました。本来の価値以上に値段がふくれあがったチューリップは1637年2月3日、大幅に価格が下落します。およそ3,000人がチューリップの借金を返せない状態になりました。

実際には、チューリップ・バブルの影響はあまり大きくなく、手形の契約自体が無効とするケースがほとんどでした。この事件は、オランダでチューリップが生産されるまで、小説「黒いチューリップ」などでも取り上げられていました。

チューリップは曇りになると花が閉じる

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チューリップの花は、天気が曇って気温が下がると、外側の花びらが伸びて、花が閉じます。これは温めるともう一度開きます。花の閉じたチューリップを人肌で温めると、もう一度花びらが開きます。この傾熱性(けいねつせい)という働きのため、朝に開いたチューリップの花が夜に閉じるというワケです。

チューリップの栽培が富山や新潟で盛んな理由

チューリップは、オランダと同じく日本でも高級品として扱われていました。1863年に輸入され、上流階級だけがチューリップ鑑賞を楽しんでいました。チューリップの切り花の価格は、1日の給料の3分の1から半分ほどの値段で売られて、チューリップが大流行しました。

新潟や富山では秋に収穫するお米の裏作として、春のチューリップ栽培を始めるようになりました。こういった歴史があって、日本では、富山、新潟はチューリップを県花として指定しています。
(Photo by Carole a, Gretaz, Jerzy Opioła)

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