ことごとく豪快な牛の食事
牛はのどかに寝そべっているイメージが強いですが、彼らの睡眠時間は意外にも1日に3時間程度。ナポレオン並みのショートスリーパーですね。では、寝るのではなく何をして過ごしているのかというと、彼らはずっと食事をしています。1日に食べる量は青草で約50キロ、干し草で約15キロ。そのため1日にする糞と尿は60~80キロにもなります。
そして驚きなのが、牛の胃の秘密。ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラという名前を聞けば、焼き肉好きの人にはピンとくるかもしれません。なんと、牛には胃が4つもあるのです。第一胃の容量は200リットルもあります。それだけ食べて、胃にも溜めこむので、当然腸も長く、体長の20倍にもなるそうです。1日の唾液の量も、約100リットル。私たちでは考えられない数字ですね。
牛乳のトリビア
私たちの暮らしで重要な役割を担う牛乳。古くは中東で、紀元前9000年~8000年前から飲まれていたという説もあります。
この牛乳をより楽しむ方法として、夜寝る前に飲むのがおすすめです。寝る前に飲むことで、睡眠中の血液のカルシウム濃度を保ち、骨からカルシウムが染み出るのを防いでくれる効果があるのです。また、牛乳には睡眠を促進させるメラトニンという物質が含まれているので、快適な眠りのためにも良さそうです。
しかし、牛乳を飲むと、おなかがごろごろしてしまうという人がいますよね。これは、牛乳に含まれる乳糖を分解する、ラクターゼという酵素が関係しています。このラクターゼが小腸に少ないと、乳糖を分解しきれずにおなかを壊してしまうのだそうです。近年はそんな人たちもおなかを壊さずに飲める牛乳も発売されています。ちなみに、自分にラクターゼが少ないかどうかは、吐いた息の水素濃度を調べることで分かるそうです。
面白い牛の習性
私たちが過ぎた事柄を思い起こすことを指してよく「反芻(はんすう)」と言いますが、これは牛の習性から来ています。牛は、一度飲み込んで第一胃に入れた草を、ゆっくり横になった時に口に戻して再度噛みます。これを「反芻」と言うのです。
また、牛には光るものを飲み込むという不思議な習性があります。そのため、放牧されている牛には「カウマグネット」という牛専用の磁石を飲み込ませています。地面に落ちた釘などを飲んでも、この磁石が胃を傷付けるのを防いでくれるのだそうです。
そして、牛の習性として有名なのが、闘牛で赤い布に突進するというもの。しかし、実は牛はあの布の赤色には反応していません。彼らが認識できるのは、白、黒、グレーの3色です。布の色は関係なく、単に揺れ動くものに反応しているのだそうです。では、なぜ赤い布が多いのでしょうか。それは、観客である人間が興奮する色だからだと言われています。
(Photo by fr:Utilisateur:²°¹°° , Manuel González Olaechea y Franco)