モノレールの名前の由来
独特な形状をしているモノレール。定義としては、「1本の軌条の進路を走る交通機関」のことを指します。この「軌条」とは、車体の車輪が乗る鉄線のことです。英語で言うとレールです。そして、モノレールの“モノ”とは、ギリシャ語の接頭辞で「一つの」と言う意味があります。これでモノレールを意訳すると、「一つの軌条」という意味になりますね。
電車は二つのレールの上に乗って走行しますが、それに対し、一つのレールだけを使うので、モノレールと言う名前になりました。ただ、モノレールの中には、軌条が二つあるものもありますが、特殊なケースと考えていいです。それだとステレオレールになっちゃいますが…モノラル、ステレオと言う区分は音声信号の時だけ使うので間違いです。
懸垂式と跨座式
モノレールの一つのレールを挟みこんで走る形状は、細かく区分すると、ランゲン式、上の式、アルヴェーグ式、東芝式………などなどと、20種類以上あります。大きく二つの種類に区分することができ、“懸垂式”と、“跨座式”に分けることができます。
懸垂式
懸垂(けんすい)式は、レールの下を車両がぶら下がっているような形式のモノレールです。もう一つの跨座式のモノレールよりも歴史が古いです。商業的に確立された初めてのモノレール形状です。この懸垂式、何かに似てます。そう、振り子です。このレールにぶら下がる形状のお陰で、多少横揺れはしてしまいますが、カーブなどを曲がるときには自然と重心をずらすことで、スピードを上げることができます。
日本で初めて運用されたモノレールも、この懸垂式の物です。1982年、大阪の交通電気博覧会で使われたものでした。上野動物園や湘南モノレール、千葉都市モノレールはこの形状です。
営業用途でのモノレールは、上野動物園のモノレールが日本初で、懸垂式です。
跨座式
跨座(こざ)式は、懸垂式とは逆に、車両がレールの上に乗っかっている形状です。一見、普通の電車と同じようにも見えますが、複数のタイヤで一つのレールを挟み込むようにして車体を固定、走行する構造になっています。
東京モノレールや、大阪高速鉄道等はこの跨座式モノレールを採用しています。こちらの形状の方が車体が安定する一方、タイヤの所為で車高が高くなる欠点があります。
高いところに設置出来たり、普通の電車よりも勾配に強いモノレール。これからは密度の高い都市部や、急勾配な土地の路面電車に置き変ったり、活躍の場は広がっていくでしょう。
(Photo by User:Fg2, M.Minderhoud)