フェリーの名前の由来は?
人や自動車等を運ぶ時に大活躍するフェリー。しかし、この、「フェリー」という名称は日本だけの呼び方です。この、日本語のフェリーの語源となった“Ferry”は、「渡し船」という意味で、これだと、英語圏では客船の意味も含まれてしまいます。これだと自動車なども運ぶ船だけを指しません。そのため日本人が英語圏の人にフェリーと言っても、語弊が生まれてしまいます。
かつての英語圏の国では、車も運ぶことから、「car Ferry」と呼ばれており、その“car”の部分が無くなり、日本では“フェリー”と言う名称に落ち着いたようです。現在の英語圏では、car ferryだとトラック等は含まれないので、「Ro-Pax Ferry(ローパックスフェリー)」や「ROPAX vessel」などと呼称されています。
世界最大のフェリー
世界で一番大きいフェリーは、カラー・ファンタジー(Color Fantasy)というフェリーです。総重量75027トン、全長223.9メートルという超巨大な船です。乗客は2750人まで乗車可能。普通自動車も750台まで収納できます。日本で最大のフェリーは、「フェリーあざれあ」と、「フェリーしらかば」です。どちらも全長195.4mもあるフェリーで、旅客定員は926名。トラックは186台乗車可能。乗用車は80台です。
ちなみに、船(船艇)の中で世界一なのは、ノック・ネヴィス (Knock Nevis)という石油タンカーで、全長458.45m、総量564,763トンもある巨大船です。
フェリーと客船の違いは?
フェリーの使用用途と言えば、「人を乗せる」ことと、「車などの荷物を載せること」です。しかし、人を乗せるためだけの物もあったり、「定期船」やら「客船」やら、船にはさまざまな呼称があって判然としません。一体どんな区分なのでしょう。
まずはフェリー。フェリーの定義は、「人と車を積めるもので、A、B間を移動する交通手段としての船」です。人が乗れることと、車が積めることが条件ですね。
次に、定期船です。本州と離島を行き来する船のことは定期船と言いますね。これは、「人と荷物が積めるA、B間を移動する交通手段としての船」のことを指します。
フェリーとの違いは、車を乗せられるかどうかです。といっても、定期船でも1台ほど軽トラックを載せたりは出来ますが、規模にもよります。
そして客船とは、字義通り「客を乗せる船」です。しかし、車ではなく人を乗せることが主体のフェリーもあります。フェリーと客船の違いは、「交通手段」か「娯楽の手段」かの違いです。客船は、交通手段ではなく、船の上で楽しい時間を過ごすための船なのです。そう考えると分りやすいですね。
(Photo by Snowdog, UkPaolo)