スイスの国花であるエーデルワイス
エーデルワイスの原産地は、ヨーロッパアルプスのピレネー山脈からトルコの山岳地帯です。とても美しいエーデルワイスは、高度2,000~3,000m前後の石灰岩質の地域に咲いています。エーデルワイスはスイスの国花とされていて、お土産屋では押し花など売られています。
スイスは高山地帯が多く、日本よりも花が少ないと思う人も多いでしょう。ところが、スイスではエーデルワイスだけでなく、たくさんの種類の花が咲いています。このエーデルワイスも、スイスの高山植物保護の法律ができる前までは、薬草やお土産のために大量に使われていました。コレが理由でエーデルワイスの数がとても少なくなってしまったため、登山道でもなかなか見つけることが出来なくなりました。
日本では、”ウスユキソウ”のことをエーデルワイスと呼んでいます。ですが正確には”セイヨウウスユキソウ”だけがエーデルワイスであるため、日本には本物のエーデルワイスは普及していないといえます。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」とエーデルワイス
エーデルワイスは、1965年に公開された映画「サウンド・オブ・ミュージック」の歌の中に登場します。この映画は「戦争と平和」をテーマにしていて、ナチスドイツ進行と、オーストリア軍人の家族がスイスへ逃亡する話です。
学校などでも歌ったことがある「エ~デルワ~イス~♪」と始まる歌は、映画の中で政治的な意味があって使われていました。オーストリアでは、ナチスに併合されて平和になったというメッセージを民衆に伝える政治的な意図がありました。コレが理由で、音楽祭のシーンでエーデルワイスを歌う場面が登場しています。
エーデルワイスは「サウンド・オブ・ミュージック」で歌われたり、オーストリアの国花として選ばれました。そして、今もなお人気があるのは、戦争と平和に関する背景があるからと考えられています。
エーデルワイスの名前のエピソード
エーデルワイスは、ドイツ語で「気高い白」という意味です。ルーマニアでは女王の花という言葉でも伝えられ、品格が高い魅力的な花として、ヨーロッパで愛され続けています。
北海道競馬が行っている地方競馬重賞レース(ちほうけいばじゅうしょうレース)で、2歳の牝馬(メス)限定のレースをエーデルワイス賞と呼びます。これはヨーロッパでエーデルワイスが女王や純潔さを表す言葉であるため、そのような賞の名前がつけられたと考えられています。
また、スイスにはエーデルワイスという社名のチャーター便の航空会社があります。それだけでなく、こういった花からとったネーミングがあり、高麗航空やエミレーツ航空などが有名です。
(Photo by Idéfix, Eisenbach)