ハクサイの黒点?
ハクサイは葉が重なり合ってボール状になっていますが、葉の場所によって微妙に味が違うといわれています。ハクサイはボール状の外側よりも中心のほうが甘いです。また、葉の部分よりも下部の肉厚な白い部分の方が甘味があります。さらに、中心部の葉には”うま味成分であるグルタミン酸”も多く含まれています。
ところで、ハクサイに点々とついている小さい黒い点を見たことありますか?この黒い点はいったい何なのでしょうか?
この黒い点は「ゴマ症」というもので、ハクサイ以外にも野沢菜やカブにもある症状です。”症”とついていますが、病害虫は関係ありません。栽培時の肥料に含まれる窒素(チッ素)が原因で、窒素が増えるとゴマ症になるといわれています。身体に無害ですが、見た目が気になるようでしたら、そぎ落としても構わないでしょう。
ハクサイとキャベツの歴史
ハクサイとキャベツは、どちらも日本人になじみのある野菜といえます。もちろん、ハクサイとキャベツは、日本国内での生産量が多い野菜ベスト10にも入っています。
ハクサイとキャベツはサラダや鍋物、漬物などとしてよく食べられている野菜ですが、どちらも原産地は外国といわれています。では、キャベツとハクサイのどちらが先に日本へ伝わったのでしょうか。
実はキャベツの方がハクサイよりも先に日本に伝わりました。キャベツが日本に初めて伝えられたのは幕末で、明治時代になり本格的に栽培されました。
一方、ハクサイの方は1866年に伝わったといわれていますが、品種の維持が難しかったそうです。1875年に東京の博覧会に、中国からハクサイが3株出品され、そのうちの2株が愛知県植物栽培所により引き取られました。そして栽培されたものが、日本初のハクサイといわれています。ハクサイは本来は冬の野菜のため、夏の暑さには弱く栽培が難しかったといわれています。そしてしばらくして、昭和に入ってから日本各地で安定して栽培されはじめました。
ちなみに、「唐人菜(とうじんな)」という「長崎白菜」は長崎県の伝統野菜で、大正時代から長崎市内で栽培されたといわれています。鎖国時代の唯一の貿易港であった長崎は、他のどの地域よりも海外の文化の影響を受けていました。そして、この長崎白菜は結球しない特性を持ったハクサイで柔らかく鉄分も多く含まれています。
ハクサイで美肌?
ハクサイは10月を過ぎると、甘味も増してきて美味しくなります。ハクサイは何重にも葉を重ね、その葉の隙間に空気の層を作ることで冬の寒さから身を守っています。また、ハクサイの大部分は水分なのですが実はビタミンCが多く含まれており、風邪の予防にとても効果的といわれています。そして、ビタミンCといえば美白にも効果があり、カロリーも低く食物繊維も多いといわれています。しかも、寒い時期は鍋物などでハクサイをたくさん食べられるので、身体も温まり栄養満点で一石二鳥といえます。ですから、ハクサイは女性にオススメの野菜といえます。
そして、ハクサイにはカリウムが多く含まれており、体内の老廃物排出を促す働きもあって、高血圧の予防にも効果的です。また、ハクサイなどのアブラナ科の野菜には、”インドール化合物”という物質が多く含まれており、がん予防に効果的といわれています。
(Photo by Forest & Kim Starr, Jamie Nettles)